ソフィ・カルの美しい作品集



はじめて「ソフィ・カル」の展示を観たのは、もう10年以上前のこと。



「限局性激痛」──

彼女が日本に行くためにパリを発ってからの日々を、写真と文章で綴った作品。

最愛の人への手紙から始まり、人生最悪な日を迎える、

そしてその経験を人に話すことで、傷を癒やしてゆく。

繊細な刺繍で紡がれた言葉の様は、その内容に対して美しいものでした。



「盲目の人々」──

生まれつき盲目の人に「美しいもの」について尋ね、

彼らが見たことのない、その美しいものを彼女が具現化した作品。

彼らに美しいものを問うという、少し残酷とも感じられる素直さが

シンプルな写真と飾らない文章で表現されていて、当時の私に不思議な印象を残しました。



そして「盲目の人々」に続く作品を観たのは3年前。


「最後のとき/最初のとき」──

失明した人々が最後に見たものを写真と文章で描いた「最後にみたもの」、

初めて海を見る人々の表情を映像で捉えた「海を見る」の2部構成。

出会いは感動的、思い出は情緒的。と言ってしまうとつまらないのですが

そんな瞬間があるから人生は楽しいのかもしれません。





そしてつい先日、再び「限局性激痛」を観ました。

ミュージアムショップで買い求めたこの美しい本のなかには、

彼女の日本での思い出と、人生最悪の日までの日々が綴られています。




このブログの人気の投稿

BIARDSがあまりにも有名な
あのオイバ・トイッカの絵本 【 Oiva Toikka AASINSILTA 】

北欧スウェーデンのブックデザイン《 新刊本編01 》

アラビア・パラティッシのデザイナー
Birger Kaipiainenの本

アストリッド・リンドグレンのALLA SKA SOVA(みんなおやすみ)