ソフィ・カルの美しい作品集
彼女が日本に行くためにパリを発ってからの日々を、写真と文章で綴った作品。
最愛の人への手紙から始まり、人生最悪な日を迎える、
そしてその経験を人に話すことで、傷を癒やしてゆく。
繊細な刺繍で紡がれた言葉の様は、その内容に対して美しいものでした。
「盲目の人々」──
生まれつき盲目の人に「美しいもの」について尋ね、
彼らが見たことのない、その美しいものを彼女が具現化した作品。
彼らに美しいものを問うという、少し残酷とも感じられる素直さが
シンプルな写真と飾らない文章で表現されていて、当時の私に不思議な印象を残しました。
そして「盲目の人々」に続く作品を観たのは3年前。
「最後のとき/最初のとき」──
「最後のとき/最初のとき」──
失明した人々が最後に見たものを写真と文章で描いた「最後にみたもの」、
初めて海を見る人々の表情を映像で捉えた「海を見る」の2部構成。
出会いは感動的、思い出は情緒的。と言ってしまうとつまらないのですが
そんな瞬間があるから人生は楽しいのかもしれません。
そしてつい先日、再び「限局性激痛」を観ました。
ミュージアムショップで買い求めたこの美しい本のなかには、
彼女の日本での思い出と、人生最悪の日までの日々が綴られています。